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コラム

2022.01.28 「第二部 オプティミズムが持つ力」-『オプティミストはなぜ成功するか』②


≪要約≫

悲観主義者と楽観主義者のどちらの人材も、企業が成長するためには必要である。前者は現実を正しく捉える傾向があるのに対し、後者は現実を自分に都合よく解釈しがちだからだ。

子供時代に悲観主義と楽観主義のどちらかが形成され、主に自分の世話をしてくれる母親の影響を強く受ける傾向にある。一般的に思春期前の子供たちは希望に溢れ、極端なほど楽観的だ。しかし、思春期以降は状況が変わってくる。小学三年生のとき悲観的な見方をする子供は、そのときはうつ状態でなくとも、時の経過とともにうつ状態になり、それ以降はその状態がつづく。逆に三年生のときうつ状態だったとしても楽観的な見方をしているなら次第に良くなる。なお、不幸な出来事を経験する頻度に比例して子供のうつ症状は重症になる。

スポーツにおける成功は楽観度によって、失敗は悲観度によって予測できる。また、チームにも楽観主義と悲観主義があり、それはチームの実績以上に正確に試合結果を予想できる。

選挙においても楽観主義者の方が有権者に希望を持たせることが出来る等の理由から当選しやすい。

60歳のときの健康状態は25歳のときの楽観度・悲観度に深い関係がある。悲観的な男性は楽観的な男性よりも早い時期に、更に重い生活習慣病に罹り始め、45歳になった時には健康状態にかなり大きな差が発生する。45歳以降の体の衰えについては、25歳の時の悲観度によってある程度予測できる。

 

≪感想≫

第二部では悲観/楽観が与える影響を企業、子ども、スポーツ、選挙、各世代の健康状態などの観点で述べられていて、いかに楽観的な見方が有利な状況を招いてくれるかが説明されていた。

私は成人するまでに、子供が影響を受ける不幸な出来事として挙げられた事例の「兄が大学進学で家を離れる」「可愛がってくれた祖父が亡くなる」「可愛がっていたペットが死ぬ」を経験した。そのうえ、両親の口喧嘩は頻繁に発生し、毎回ショックを受けたことは今でも覚えている。これらの出来事は私の悲観的見方を形成したといえるだろう。本書の第三部では悲観主義者を楽観主義者に変える具体的な方法が提示される見込みなので楽しみにしたい。

また、現在進行中の以下プロジェクトの結果にも期待したい。

『1990年から、私たちはより大人数のガン患者に認知療法を施し、彼らの免疫機能を高めて病気の進行を妨げ、もしかしたら延命も可能かどうかの試みを開始する。同時に、病気にかかる危険性の高い人々に、悲観主義的見方を変えることで免疫機能が高まり、病気を防げるかを検証する』(趣意)

著:田埜マサキ

 

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